ホストクラブと無知な女の子達
暇なのでTwitter色々見ているうちに「ホス狂い」ってキーワードがあることに気付いて、そこから延々夜の人々のつぶやきを読んでしまった。
わたしもキャバクラとかじゃないけどライブバー系の水商売はバイトで入っているから、どこかのスナックのママさんと来たりするお客様連中には慣れている。
ただ、カラオケがなくて生演奏でライブとかするバーには大抵、落ち着いた中年以上のお客様しか来なくて、若い子は逆にお水じゃなく音楽やってるバンドマンばかりなので、ホストとかには基本縁がない。
まぁ、バンドマンの男もある意味ホストに近いとこあるから、違いはターゲットの層だけのような気もする。
バンドマンにしてもホストにしても、人よりハマっちゃう女の子って同じようなタイプなんだよね。煌びやかにしていても自分に自信なかったり過去のトラウマに傷付いていたりして、一般的に知り合う男性とはなかなかうまくいかない子が多いイメージ。わたしはそんな女の子が痛々しくって可哀想で可愛いと思うし、バンドマンが集客とお金のために女の子に甘い顔見せてるのをカウンターの中から眺めていると、ハマり過ぎている女の子に思わず忠告したくなっちゃう。ただ、そういつ子ってアドバイスしたところで本人も分かってんだから意味ないんだけどね。
タロットして欲しい、と言われることも多くて、何もない状態よりはカードを見て判断したほうが聞く耳持ってくれることもあるけど、結局はハマってる本人もなんとなくそれで幸せを得ているから抜け出せないんだ。
まだバンドマンは良いと思う。演奏下手クソでビジュアルもしょーもないような男に引っかかってたら首かしげるけど、いつも人の演奏をアホほど聞いてるわたしでも「すげぇ!」ってなるような男にハマってるなら、トコトンまでいっちゃえって応援したくもなる。
もちろん自分の心や体を傷付けてまで、と思うけど本人気付くまでそっとして、話をただゆっくり聞くだけという人間も必要なんだろうなと思うしね。
でもさ、ホストってどうなのよ?わたし、ホストクラブに行ったこともあるけど、大半のホストは能無しだよ。
上まで上り詰める人はそれなりの頭があるけど、それ以上にわたしのような「普通」の人生歩んできた人間には到底理解できないお金への執着心とかハングリー精神があるんじゃないかと感じる。
ホストの客はセレブじゃなかった!
バイト先のライブバーの客層は、バンドマンのほか、演奏聴きにきたり自分も演奏したいおじさま達や生演奏で歌を唄いたいカラオケ親父&酸いも甘いも知り尽くしたスナックのお姉さま方で、若い女の子は大抵がバンドマンのお連れさん。
基本的にオーナーの知り合いしか来なくて、超セレブでもないけど経済的に困らない生活をしている人が多い。たとえばサラリーマンだったら誰もが知っている大手企業の役職とか、自営業なら医師や弁護士などの国家資格職という感じ。
わたしにとっての「水商売」はそんなイメージしかないけど、ホストクラブの客層はどんなものなのか気になって調べてみた。
最近、芸能人の坂口杏里が恐喝かなんかで逮捕されてたホストクラブ。
すごくお金がかかる印象だからお客さんは有名人やセレブが多いのかな、なんて思ってたけど案外同業系がほとんどなのね。
確かに、わたし一回だけホストクラブ行ったことあるけど、あれはマジモンのセレブが行くところではないような気がした。なんていうか、全部が虚飾の世界なの。ホスト男子が放つ煌びやかで優雅な王子様オーラとか、店内の派手な装飾とか、着飾ってくるお客さんとか、それだけを見ているとすごく華やかで憧れる世界なんだけど、たとえば少しでも本物のセレブの世界を知っていたら嘘が見え見えで騙されることがないんだね。
きっとホストの世界にハマってしまう女の子は、虚飾の世界のどこまでが虚飾なのかが理解できないんだ。それは本物を知らないし、本物なんてなかなか出会えるもんじゃないから仕方ないんだけど、だから余計に痛々しく見えるのかもしれない。
バンドマンなら、少なくとも音楽を本当に真剣にやってる子とかすごく上手な子は、それだけは本物だから甘い言葉に流されて都合の良い女になっても、音楽だけはずっと残っていく。でもホストクラブって残るもの、あるのかな?ホスト男子のいったいどれだけが、本当の輝きを持っているんだろう。
そんなことを考えてしまうのは、音楽という一つの崩れない確固たるモノを持って自分を売るバンドマンを見てきたから、そして自分自身がホストクラブへ遊びに行った折、恐ろしく幻滅してしまったからだ。
ホスト男子には確固たる何か才能や誇れるものはあるのだろうか。
ホストクラブのこんなところに幻滅した
わたしはうるさいところがそもそも苦手な人間だ。うるさい男も嫌い、あと馴れ馴れしい人もダメ。そんな人間はホストクラブ自体、行っちゃあいけなかったんだけど、友達に誘われて数年前に初めて行ってみた。
初めて行くお店はほとんどが「初回」と言われる特別料金で安く飲める。初回で来た客に気に入られたら新しい馴染み客が出来るわけだから、ホスト坊や達は決められた時間のあいだに自分をアピールして次に繋げようと必死になる。その結果、自分の話ばかりする人や連絡先を聞こうと躍起になるタイプの人ばかりに当たって、こっちが気を遣って面倒臭くなったのね。
で、思った。ホストクラブは会話するとこじゃなくて、イケメン男子にチヤホヤされて満足する空間なんだな、と。あるいは「この子の生活はわたしが支えてる!」みたいな自負心を満足させる場所。
じゃなきゃ、初対面で「休みの日とか何してんの?」と聞いて客が「読書とか美術館巡り」と答えたときに「。。。」と黙り込むような接客にはならないと思う。
みんながみんなじゃなくて、わたしが当時行ったホストクラブが関西ローカルのあまりレベル高い場所じゃなかったからなのかもしれないけど。歌舞伎町とかのホストクラブはもっとクォリティー高いかもね。
ホストやってる子って年齢層も若いのが多いから人生経験もないし、本来なら人の話し相手にもなかなかなれない。だからお金を自由に使えるセレブ奥様方じゃなくて、同じように人生経験の薄い若い女の子が多くなるんだろうな。
それでもイケメンなら良いんだけど、これまたアラフォー女なんかにとっては薄っぺらくてヒョロヒョロで身長の低さをツンツンの頭で誤魔化して大きな顔を余計大きく見せているようなスタイルのホストをイケメンとは到底思えない。顔と髪の毛だけ綺麗にセットしても肩幅狭くてバランス悪いのよ。スーツは細くないと似合わないとかいう発言をしているホストの記事を以前に読んだけど、スーツは肩幅と胸板の厚さがないと似合わないから華奢はダメなの。欧米人体型に合う服装なんだから、欧米人を見慣れているアラフォー女からすれば華奢で女の子みたいな綺麗なホストのスーツ姿より、ふくよかなおじさまのスーツ姿のほうが恰幅良くて似合うよ、って言いたい。
でも、結局同じ穴のムジナ
アラフォー女の意見なんて誰も聞きゃしないだろうから言わないけどね。
それに、結局ホストにハマる女の子って、ホストと同じような境遇にいて、同じような生活環境で育って来た子が多いからほかの世界を知らないんだと思う。知るきっかけもないし、知りたいと思うこともない。それは彼女達が悪いんじゃなくて育ってきた環境の問題だ。
ホストや高級キャバ嬢のほか、成り上がりの芸能人あたりが醸し出すセレブ感って独特で、同じように高いものを使って豪邸に住んで高級車を乗り回していても、根っからのおぼっちゃん、お嬢さんとは何かが違う。芸能人を見ていても、たとえば恐ろしくセレブな松岡修造氏や、意外とセレブなお家に生まれた出川哲朗なんか、見ていて人を嫌な気にさせることが少ないと思うんだよね。たぶん生まれたときから恵まれた環境にいる人はおっとりと育つからギラギラしていないし、それでも周りにちゃんと気を遣える性分なんだろう。
自分の周りにいる人でも、そういえばすごく有名なメーカーの社長の娘やら息子が、地味な国産車乗っていたり安居酒屋に入り浸っていたりする。女子大時代の同期にもそういう子が何人かいたけど、お嬢様ほど地味で上品だった。
職業としてのホストは、サラリーマンより大変なんだろうなとしか思えないけど、その大変な道をあえて選んでお金を稼ぎたいという人種は、お坊ちゃんや勉強好きの男性とは違うような気がする。だってお坊ちゃんは女性に媚びなくてもお金を持っているし、就職難とはいってもMARCH以上の大学出てたらホストにつきまとう苦労とは無縁に充分お金を稼げる。何が言いたいかというと、ホストは深海で光る紛い物の宝石みたいな存在で、暗い場所で見つけたら凄く綺麗に見えるけど、陽の下に持っていくと色褪せる、そんなイメージなわけね。そこにハマる女の子達は深海の住人で、だから虚飾を見抜けないんだろう。
ネットで見かけた風俗嬢の切なさ
虚飾といえば、なぜこんな簡単なことが出来ないんだろう、とある風俗嬢のTwitterを読んだときに感じた。
彼女は自称「セレブ」の高級ソープ嬢。
誰とも連絡を取りたく無くなったのかもしれないが、ある日突然、「海外に行ってきまーす」とツィートした。投稿された写真には搭乗券。それから数日後、海外の街で楽しむサングラス姿の写真がアップされたが、コメントを読んでいると「この写真あんたじゃないよね、勝手に使わないで」と外国語で書かれていた。
それまでも、出発前日に「どっか行きたいな」とつぶやいていたり、空港が背景に映り込む搭乗券が映された写真を見て違和感を覚えたりしていた。違和感の正体は搭乗券に記された出発時間だ。投稿された時間より10時間以上あとの出発時間だったから、考えられる理由としては空港に早く着きすぎたor出発してから「行ってきまーす」と後になって投稿した、のいずれかしかない。空港に早く着きすぎてもカウンターでチェックインしなければ基本搭乗券は出ないし、カウンターでのチェックインは2時間前くらいからしか出来ないから乗り継ぎでもない限りは考えにくい。また、搭乗券に記された日付はツィート投稿より3日くらい前の日付だったから、まぁ普通に考えたら出発したときにツィート出来なかったとか、アリバイのためわざと日をずらして投稿したってあたりが想像しやすい。
ただ、それなら一見風俗嬢になんの関係もなさそうな海外在住の外国人にいきなり「写真使うな」なんてコメントされることもないと思うので、コメントを考慮して考えて見たら「海外行くってのが嘘だったんだな」と合点がいく。
でも、わたしが悲しく思ったのはべつに嘘をついたからじゃない。英語で突っ込まれてなんの反論もしないところとか、反論せずに放置しているところとか、航空券の写真を投稿する時間や航空券の日付あたりに注目せず、サラッと投稿できる無知さに哀れみを感じたのだ。
常々、しょーもない細かいことまで気になって調べたり、知ったような顔をしていろんなことを書いては間違いを指摘されて恥ずかしい思いをしながらも勉強している自分のような人間は、深く考えずに行動できる人に羨ましさを感じていたが、それが無知さゆえに出来ることなら何か違うなと気付かされた。
この高級風俗嬢は「ホス狂い」と自ら称しているホスト好きなのだが、投稿を色々見ているうちにやはり見え見えの虚飾の世界は騙す方も騙されるほうも同じ穴のムジナだと感じた次第である。
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