ひまわり畑を抜けてラヴェンナへ【2016.7イタリア旅行記6】

2016年7月イタリア旅行記。
前回までの経緯はコチラ⬇︎
イタリア旅行4日目。
暑さにグダッていたらアッと言う間に日々が過ぎていってしまう。

この日はローマから東ローマ帝国(ビザンチン帝国)の首都だったラヴェンナに移動し、さらにフィレンツェに到達するという移動デー。

夫と二人で行くつもりだったからちょっと長い時間をかけてアッシジに行こうかとも考えていたのだが、母と行くなら世界遺産の「初期キリスト教建築群」があるラヴェンナのほうが良いかなと判断した。

古代から中世にかけての西洋史が大好きな母ならビザンチン芸術の宝庫、ラヴェンナに行って興奮してくれること間違いナシだろう。

ラヴェンナは初めてイタリアに行ったときから憧れの場所の一つだった。

ローマから行く方法は、まずfs(国鉄新幹線)で1時間半ほどの距離にあるボローニャへ向かい、ボローニャからはラヴェンナ行きの普通電車に乗り換えるという手段をとった。

冬場は枯れ果てた大地が広がる車窓、夏は一面にひまわりが咲いていて目を奪われるほどの美しさだった。
イタリア映画の名作「ひまわり」を思い出した。青空とひまわりの鮮やかな黄色のコントラストが美しい。これだけ濃い水色と黄色の組み合わせって日本ではなかなか見られないよね。
ラヴェンナ行きのチケットと旅のお供達。
フィレンツェのクマさんは3年くらい前にフィレンツェで買ってから毎年里帰りしている。
ミッフィーは何年か前に乗り継ぎのアムステルダムで買った。いつもイタリアについて来ている愛い奴。
ボローニャに着いて乗り換えホームを探しているとき、時刻表を発見して唖然とした。

見にくい!!( ̄◇ ̄;)


めちゃくちゃチンマイ字で色々書いてあるけもわ、いったい何が何やら分からない。

とりあえず「R」ってのがレギュラー、普通車ってことなのね。

ラヴェンナへはボローニャから約1時間半。
どの電車に乗れば良いのか、どの駅に停車ふるのか、どのホームから出るのか、色々書いてくれてるんだけど解読が難関。

しかも、とりあえず乗る電車を見つけてホームまで到達したのに。

電車がありません。


一応、ホームに電子掲示板もあるのだけど、まったく表示されていない。


手がかりさえ失って途方に暮れかけたその時。

ふと向かい側のホームに目をやって「あっ」と声を上げた。

「Ravenna」って書いてる電車が止まってる。


ホームの先端まで歩いて確認したら、やっぱりラヴェンナ行きっぽかったので、とりあえず猛ダッシュでホームを移動する。

ちなみに、本来乗るはずの電車は20分後くらいに出発予定だった。だからやけに早くからホームに入り込んでいるなぁと思いつつ、なんとか電車に乗り込ってホッと一息。

しかも最初電車のドアが閉まっていて、乗り方が全然分からなかった。 

困っていたら近くの若者が笑いながらドアの横にあるボタンを押してくれて、「分かりにくいでしょ、ごめん」と言った。

日本でも、寒い時期に停車中のドアを閉めている電車があるけど、このクソ暑い時に閉めっぱなしかよ…と思ってふと気づいた。

これも節電なのかもしれぬ。


紆余曲折ありながらもとりあえず無事に電車に乗った3分後。

電車、走り出したよ!?


アナウンスもなく、本来の時間より15分も早くボローニャを出て行く電車。いったい、なんのスケジュールで動いてんのよ、これ?

日本の、正確な電車に慣れているわたし達にとってはそれだけでも大笑いのネタだった。

いやマジで、

日本以外の国の電車は遅れてやってくるなんて当たり前。

とは聞いていたけど、

時間より早く出る。

とは聞いていなかったよ。笑笑

そーいや、昔、ミラノからローマ行きの飛行機乗るときも、チェックインカウンターで出発予定より2時間も早く出るって聞いて焦ったよね。


と思い出話を母とひとしきり。

途中、いくつかの駅に止まって列車はラヴェンナに向かう。
ラヴェンナ着いた。午前11時。
ローマを出てから3時間半の長旅だった。

えっとね、ラヴェンナも…

クソ暑い!!

なんか美術展やってた。

駅前にレンタサイクルがあったので、暑すぎるし丁度良いかも!?と借りてみた。
ところがこの自転車を借りるときも、スムーズにはいかない。なんせ、日本国内でもあんまりレンタサイクルとかしないのに、異国の地でいきなり大冒険なんてするからシステムが分かってないのね、わたしも母も。

しかもラヴェンナの駅前のレンタサイクル屋のスタッフさん、みんな英語が思いっきりイタリア語訛りで、もうほとんどイタリア語だからわけわかめ。

とりあえず1時間50€とか言われて、

ぼったくりじゃね?

とわたしは言ったものの、暑さに頭がやられている母、

「良いのよ、歩くよりマシ」

と強引にレンタルを決めた。

「ドキュメント出せ」
とか言われて頭の中???ってなったけど、あぁもしかして証明書か、パスポートを出したら満面の笑みで「Grazie」ときたもんだ。

明らかにアジア人(外国人)なんだからパスポートって言ってヨォォ。

とりあえずぼったくられながらも自転車をゲットしたわたし達は真夏の太陽真っ盛りの下を漕ぎだしたのである。
まずは世界遺産「初期キリスト教建築群」がいったいどの辺りにあるのか、どういうシステムになっているのか確認すべく、案内所は向かった。

建築群はこの街の東西南北に散らばっているので自転車を借りて正解だと言われた。

値段高いんですけど足元見てます?

でも、確かに結構自転車使ってる観光客多かったな。

で、どうやら7ケ所くらい回れる共通チケットがあるそうなので先に入手した。

で、1時間後。


とりあえず自転車を返しに行く。遅れたら余計な金取られそうだからね。

「もう良いの?」
とレンタサイクル屋の兄ちゃんに聞かれたから、
「うん、もう大丈夫、いらない。」
って答えた瞬間。


兄ちゃん、50€持ってきた。


わたしにお金を返しながら、

「じゃあ二人で4€ちょうだい」

と言ってきたのだった。

え!?え!?


4€!?


よくよく聞いてみたら50€はデポジットだったみたい。

1時間、二人で4€ってことは一人2€ってことだ。

安っ!!


で、顔を見合わせたわたし達母娘は言った。

「まだ使いたい!」


笑笑

手のひらを返したようなわたし達の態度に兄ちゃんも笑う。

苦労しながらお兄ちゃんに、「1時間50€かと思ったの」って言ったら「そりゃ高いわ」ってさらに爆笑された。

そして、「1時間後にまた戻ってきたら良いの?」と確認する母に、「いや、もう戻ってこなくて良いよ。19時までだからそれまでに来てくれたらその時間で計算する」だってさ。

そりゃ1時間に1回、延長するためだけに戻ってくるヤツもウザいよな(笑)

そんなヒヤヒヤする思いをしながらも自転車を改めてゲットしたわたし達は、ホッとしたし時間もまだまだあるね、ってことで昼食タイムにすることにした。
クソ暑い中、大活躍だった扇子とともに食べかけのピザ。食レポが全部イマイチだな、このブログ。

いやーそれにしても面白かったね。


と母。確かにレンタサイクル屋でのやり取りには笑った。笑えるのもぼったくられていないからなんだけれども。

あれってさ、50€普通にぼったくれるよね、こっちがあんまり言葉分かってないのバレバレだし。


でもレンタサイクル屋の兄ちゃんも英語があんまり上手くないことを自分で理解してるのかもしれない。

ぼったくる気なんてまったくなさそうだったもの。


イタリアって、よく「ぼったくられた」って話を聞くけど、案外そうでもないと思う。

わたし、お釣りを多く渡されて返したことはあるけど、買い物してても全然ぼったくられたことないもん。 

さて、1時間2€に気を良くしたわたし達はグダグダとランチタイムを楽しみ、1時間くらいしてからやっと重たい腰を上げた。

だって暑いんだもん。

ラヴェンナの木陰にいる少年が「東京」と書いたTシャツを着ていたので隠し撮り。

わたし達も木陰を探しながら自転車を走らせる。駅から約15分、やっと観光モードに入れた。

こちらは6世紀に建てられた「サン・ヴィターレ聖堂」。
ラヴェンナはアドリア海に近い交通の要衝で、ローマ帝国が東西に分かれたあとしばらくの間、東ローマ帝国(ビザンチン帝国)の首都となっていた場所である。

サン・ヴィターレ聖堂には、首都をラヴェンナに移したユスティアヌス1世の姿が描かれている。
東ローマ帝国は最終的にイスラム系民族などと争い、さらに偶像崇拝を禁じたため初期の歴史的なキリスト教芸術作品が破壊されてしまった。

ラヴェンナは、そんな数少ない6世紀頃のビザンチン芸術を今に残す貴重な地域といわれている。
黄金のモザイクと遠近感のない画法が時代を感じさせてくれる。
モザイク画はラピスラズリなどの貴石を使っているので保存も難しいと思うが、その分、鑑賞していると普通の絵画以上に感動する。
こういう、教会の壁画などは現地でないと見ることができないので、貴重な体験をしたと思う。
こちらは青いモザイクを一面に施した天井が特徴的な「ガッラ・プラキディア聖廟」。
5世紀に建築されたといわれる、ラヴェンナの中でも古い建物のひとつだ。
柱の装飾もすべてがモザイクで出来ている。
この聖廟には4世紀から5世紀にかけて亡くなったプラキディアの親族が納められた石棺が今も静かに安置されている。

ラヴェンナの写真がブログの上限枚数に達してしまったので残りは次の記事にアップします!

火星人ペガサスの日常

読書と旅行と愛犬&ウサをこよなく愛する一般人。 こっそりタロット占い師をやっています。

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