【2017GW岡山1泊2日】吉備津神社
鍾乳洞巡りのあとは岡山市にある「吉備津神社」へ。この神社の主祭神『吉備津彦』は桃太郎のモデルといわれている。
ご利益は夫婦円満や縁結びのほか、桃太郎伝説も相まって子宝祈願や安産、子供の健やかな成長などたくさんだ。
みどころは本殿。日本で唯一と言われている「吉備津造」は質素ながら立派で剛健な造りをしている。
遠方から眺めると出雲大社に近いような造りにも見えるが、確かにあまりほかに例を見ない雰囲気だ。
吉備津神社本殿から400mの回廊を通ると『鳴釜殿』に出る。『鳴釜殿』はちょっとドキドキする『鳴釜神事』と呼ばれる占いのような儀式が有名。
その方法は以下の通りだ。
『釜に水をはり湯を沸かし釜の上にはセイロがのせてあり、常にそのセイロからは湯気があがって います。祈願した神札を竈の前に祀り、神官が祝詞を上げる中でセイロの中で器にいれた玄米を振ります。
鬼の唸るような音が鳴り響き、祝詞奏上し終わるころには音が止みます。この釜からでる音の大小長短により吉凶禍福を判断します が、そのお答えについては奉仕した神官も阿曽女も何も言いません。自分で判断します。』
鳴釜神事のいわれは吉備津神社のHPに詳しい。
『「鳴釜神事」のいわれは当社には鳴釜神事という特殊神事があります。この神事は吉備津彦命 に祈願したことが叶えられるかどうかを釜の鳴る音で占う神事です。多聞院日記にみられるのが文献的には一番古いとされる。永禄十一年(1568)五月十六 日に「備中の吉備津宮に鳴釜あり、神楽料廿疋を納めて奏すれば釜が鳴り、志が叶うほど高く鳴るという、稀代のことで天下無比である」ということが記されて おり、少なくとも室町時代末期には都の人々にも聞こえるほど有名であったと思われます。江戸時代上田秋成の雨月物語のなかにも『吉備津の釜』として一遍の 怪異小説が載せられていて有名であります。
釜鳴という神事は王朝以来宮中をはじめ諸社にもあったことが文献にもみられています。釜を焼き湯を沸かすにあたって時として音が鳴るという現象が起こる と、そこに神秘や怪異を覚え、それを不吉な前兆とみなし祈祷や卜占を行ったらしい。そして陰陽道的解釈が加えられていったと考えられます。
この神事の起源は御祭神の温羅退治のお話に由来します。命は捕らえた温羅の首をはねて曝しましたが、不思議なことに温羅は大声をあげ唸り響いて止むこと がありませんでした。そこで困った命は家来に命じて犬に喰わせて髑髏にしても唸り声は止まず、ついには当社のお釜殿の釜の下に埋めてしまいましたが、それ でも唸り声は止むことなく近郊の村々に鳴り響きました。命は困り果てていた時、夢枕に温羅の霊が現れて『吾が妻、阿曽郷の祝の娘阿曽媛をしてミコトの釜殿の御饌を炊がめよ。もし世の中に事あれば竃の前に参り給はば幸有れば裕に鳴り禍有れば荒らかに 鳴ろう。ミコトは世を捨てて後は霊神と現れ給え。われは一の使者となって四民に賞罰を加えん』とお告げになりました。命はそのお告げの通りにすると、唸り声も治まり平和が訪れました。これが鳴釜神事の起源であり現在も随時ご奉仕しております。』
14時までに受付をすれば一般の参拝者も占ってもらえるそうだ。私たちは時間がなかったが、もともと雨月物語に出てくる「吉備津の釜」を読んで非常に印象的だったから一度は訪れたかった神社、今回行くことが出来て良かった。
吉備津神社を出ると、もう17時近くになっていたので、約30分ほど車を走らせ小田郡矢掛町にある今夜の宿へ向かった。
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